タクシーに乗車した時、気になるのがメーターの上がり方ですよね。
タクシーのメーターは一体、何メートルごとに上がっていくのでしょう?
また、信号待ちや渋滞した時のメーターはどうなるのでしょう?
今回の記事では、このようなタクシーメーターの疑問について深堀りし、詳しく解説していきます。
タクシーのメーターは何メートルで上がるのか?
タクシーのメーターは基本的に、初乗り運賃から一定の距離を走るごとに料金が上がっていきますが、地域によって初乗運賃や、距離ごとの加算運賃など料金算定の基準が異なるため、メーターが何メートルでいくら上がるのかという事も地域によって違うのです。
ここで例として、東京23区と大阪市、名古屋市、福岡市、札幌市の5大都市についてタクシー料金が何メートル毎にいくら上がるのか?の基準についてご紹介します。
タクシー料金の算定基準(普通車の場合)※2019年8月現在 | |
【東京23区】 | 初乗運賃 1052mまで410円 |
以後237mごとに80円加算 | |
【大阪市】 | 初乗運賃 2,000m(2km)まで660円 |
以後296mごとに80円加算 | |
【名古屋市】 | 初乗運賃1200mまで730円 |
以後231mごとに110円加算 | |
【福岡市】 | 初乗運賃 1194mまで580円 |
1397mまで630円 1600mまで680円 以後203mごとに50円加算 |
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【札幌市】 | 初乗運賃 1600mまで670円 |
以後302mごとに80円加算 |
これを見ると、上記の5大都市の中でも東京23区は、初乗運賃のみで乗車できる距離が一番短いですね。
また、その後の加算運賃(料金)については、上記5大都市の中で名古屋市は1mあたりの加算額が高く、逆に大阪市や札幌市は1mあたりの加算額が安く済むことになりますね。
タクシーのメーター信号待ちや渋滞した時はどうなる?
では、タクシーのメーターは信号待ちや渋滞した時など、タクシーが停車中の時には一体どうなるのでしょう?
「停まっている間は、メーターが上がらないのでは?」と思われるかもしれませんが、実は走行していない時でもタクシーのメーターは上がり続け、その分料金が加算されていくようになっています。
それではなぜ、停車中もメーターが上がっていくのでしょう?
この理由は、現在のタクシーメーターの仕様が「走行距離」と「乗車時間」の2つを併用して料金を算定する「時間距離併用制」という仕様になっているためです。
ちなみに、先程の5大都市における時間距離併用制の運賃(料金)は、以下の通りです。
タクシーの時間距離併用制の運賃(普通車の場合)※2019年8月現在 | |
東京23区 | 1分30秒ごとに80円加算 |
大阪市 | 1分50秒ごとに80円加算 |
名古屋市 | 1分25秒ごとに80円加算 |
福岡市 | 1分15秒ごとに50円加算 |
札幌市 | 1分50秒ごとに80円加算 |
目安としては、停車中もおおよそ1分30秒を経過するごとにメーターが上がり、80円程度ずつ加算されるイメージですね。
ちなみに、停車中の時間加算額は、信号待ちや渋滞に限らず「途中でコンビニに寄るので、待っていてください」などと言ってタクシーを待機させている時間も適用されます。
しかし、タクシーの乗客側から見れば、車が全く前に進んでいないのに、乗車時間だけが刻々と経過している間も料金加算の対象になってしまうなんて、ちょっと納得いかない感じですよね?
ただですね・・・、実は、昔のタクシーメーターは時間距離併用制を採用していなくて、「とある事情」により停車中も料金が上がっていく時間距離併用制へと変わったんです。
なぜタクシーメーターの上がり方が「時間距離併用制」に変わったのか?
この理由ついても深堀しましたので、早速ご紹介していきます。
タクシーメーターの上げ方が変わった理由は?
かつて日本がまだ経済成長し、活気があってイケイケの頃、タクシーのメーターは停車している間には上がらず、「走行距離」によって料金を算定していました。
これなら、乗客は信号待ちがあっても、渋滞にあっても料金の負担が変わらないので助かりますよね。^^
でも、タクシーの運転手やタクシー会社の立場から見ると、これは非常に困ることになります。
なぜなら、お客を乗せて走っている間に信号待ちが多かったり、渋滞に巻き込まれてしまった場合「乗車時間が増加すればするほど、一組あたりの乗客から得られる利益は減ってしまう」という悪循環に陥ってしまうんです。
そこで、タクシー運転手はどうしたのか?というと、信号待ちや渋滞で停車する時間をなるべく減らすように走行し、一組あたりの乗客から得られる「走行距離あたりの利益」を増やすよう努力していきました。
しかし、その結果ドライバーの無理な運転による事故が増え、安全面での問題が出てきてしまったのです!
このような出来事を受け、タクシーの料金体系に関する見直しが行われ、走行距離だけで料金を加算するのではなく、信号待ちや渋滞などの停車中も料金を加算する時間距離併用制を採用することに至ったのです。
ちなみに、時間距離併用制はあくまで一般道(下道)を走行した時のみに適用され、高速道路を走る時には別の料金加算方式になります。
こちらの記事で詳しく解説しているので、併せてチェックしてみてくださいね♪

タクシーメーターの上がり方 まとめ
現在のタクシーメーターの上がり方には、「タクシーの運転手の利益」と「タクシーの乗客の安全」の両方を守るため、よく考えられたうえで採用されています。
なので、もしタクシーの停車中にメーターが上がってイライラしてしまった時には
「停車中にもメーターが上がるお陰で、タクシーの運転手さんは安全に運転してくれる。」
「だから、私達も安全に乗車できる」
ということを、頭の片隅から思い出してみてくださいね。^^