ある日、恵梨香は突然体調不良に襲われました。頭痛や吐き気、倦怠感があり、
何をするにも思うように動けない状態になってしまったのです。
学校も欠席することが増え、友達から心配される日々が続きました。
恵梨香の母親、明美は心配そうに恵梨香を見つめながら、
何か手掛かりを見つけるべく様々な病院を回りましたが原因は分からずに終わりました。
突如として現れた死神から死の宣告
ある日、恵梨香は家で一人でテレビを見ていると、画面が突然歪み始めました。
急に映像が乱れ、死神が映り込みました。
恵梨香は恐怖に身を震わせながらも、目を見開きながら凝視しました。
死神は、恵梨香に向かってゆっくりと近づいてきました。
その姿は不気味で、恵梨香は恐怖で身体が固まってしまいました。
すると、死神が突然口を開き、恵梨香に向かって声を放ちました。
「お前の寿命はもう尽きた。今からお前の命を奪う」と言われ、恵梨香は絶望に打ち震えました。
母親の決死の滝行
しかし、そこに恵梨香の母、明美が駆けつけました。
彼女は恵梨香を必死で守ろうと、母親としての力を全て振り絞って立ちはだかりました。
「絶対に手出しはさせないわ！」と明美は死神に向かって叫びました。
すると、死神は一瞬驚いたような表情を浮かべ消えたのです。
明美は恵梨香の手を引き、家の外に連れ出し、滝行の場所へと向かいました。
その場所は山奥にあり、清らかな水が流れる美しい滝がありました。
明美は恵梨香の手を握りしめながら、滝行を始めました。
冷たい水が身体に染み渡りながら、母娘は祈りを捧げました。
死神の死の宣告から逃れられるのか？！
滝の音が急に大きくなり、恵梨香と明美の周りには何か異様な気配が漂い始めました。
恵梨香は身体が痺れるような感覚を覚えながらも、明美の手を握りしめ続けました。
そして、突然滝の水が激しく荒れ始め、空気中には不気味な声が響き渡りました。
「逃げられないよ、死神の宣告からは逃れられない」という声が何度も繰り返され、恵梨香の耳に響きました。
しかし、明美は諦めずに滝行を続けました。その姿は凛としており母親の愛と決意が感じられました。
それからどれくらいの時間が流れたのだろうか・・・
気付くと滝の水が静まり返り、空気中の声も消え去っていました。
恵梨香と明美は目を見合わせ、安堵の表情を浮かべました。
体調が奇跡的に回復
滝行の後、恵梨香の体調は奇跡的に回復しました。
以降、恵梨香は体調不良に襲われることはなくなり、母親との絆も深まりました。
しかし、恵梨香たちは滝行の真相を知る術はありませんでした。
滝行がなぜ効果を発揮したのか？なぜ死神の宣告から逃れることができたのか？
母は何か知っているように見えましたが、恵梨香はあえてそれに触れませんでした。
その真相は未だに謎に包まれたままです。
それ以降、恵梨香と明美は毎年、滝行の場所を訪れます。
そこにはいつも静かに水が流れ、何か不思議な力が溢れているように感じられました。
そして、恵梨香はいつも滝の前で、自分たちを守ってくれた滝に感謝の気持ちを捧げました。
なぜ死を回避できたのかは謎に包まれたまま
滝行の奇跡を目の当たりにした恵梨香は、
死神の存在や死の不可避性について深い疑問を抱くようになりました。
死がいつ訪れるか分からない不安と恐怖が彼女を襲い、
日常の中にも非日常の恐怖が潜んでいることに気付かされました。
恵梨香はそれ以降、自分の命の尊さを強く感じるようになりました。
そして、滝行の体験を通じて、生きることへの感謝と家族の絆を深く心に刻みました。
彼女は今でも、滝行の奇跡とその経験を忘れずに、日々を大切に生きています。
